「三権分立」と「議員内閣制」
日本の権力は、「三権分立」によって下記の3つに分かれ、
- 国会(立法権)
- 内閣(行政権)
- 裁判所(司法権)
互いに抑制し合って均衡を保っている。 → 権力乱用の防止。
それぞれの主な仕事は、
国会は、法律の作成、変更、廃止をすること。
内閣は、国会で決めた法律や予算に基づき、国を治めること。
裁判所は、争いごとや犯罪を憲法や法律に基づいて裁くこと。
日本の三権分立では、国会が内閣総理大臣を指名し、国会の信任のもとに内閣が成り立つ仕組み……「議院内閣制」をとっているため、国会と内閣の結びつきが深いという特徴がある。
国会の構成…二院制
国会は二院制であり、下記の2つに分けられる。
- 衆議院
- 参議院
<メリット>
- 2つの議院で審議することは、ダブルチェックになるため、重要な決定を慎重に行える
- 1つの議院の行き過ぎを抑えたり、足りないところを補ったりできる
衆議院
・任期は4年
・解散がある
・解散または、4年経つと選挙が行われ、衆議院議員全員が選び直される
(全員が選び直されるため、衆議院選挙は、総選挙と呼ばれている。)
・満25歳以上から立候補できる
任期が参議院よりも短く、解散があるため、衆議院の方が入れ替わりが多く、世論を取り入れやすいという考えで、衆・参議院で意志が一致しない場合は、衆議院側が優先される事項がある。……「衆議院の優越」
参議院
・任期は6年
・ただし選挙は3年ごと行われ、参議院議員は半分ずつ選び直される
・満30歳以上から立候補できる
与党
・衆議院において、半分以上の議席を持つ政党が「与党」
(違う政党同士が手を組んで半分以上でもOK……連立政権)
(2019年7月時点では、自民党と公明党が与党=連立政権)
内閣総理大臣を決める際、国会議員は通常、自分が所属している政党の党首に投票する。国会で大多数の議席を保有する与党になる。ということは、自分の政党の党首が総理になる。ということとほぼ同義である。そして、総理は内閣を作る際、基本的に自分の政党から国務大臣(閣僚)に選ぶため、その政党の考え・政策が実現しやすいということだ。
→与党が政権を持つということ。
野党
・与党以外
2019年7月時点では、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、日本維新の会、社会民主党、希望の党、れいわ新選組などが野党。
国会の仕事
憲法に定められている国会の主な仕事は以下の8つです。
- 法律の制定
- 予算の議決と決算の審議
- 予算の議決と決算の審議
- 条約締結の承認
- 内閣総理大臣の指名
- 憲法改正の発議
- 両議院の国政調査
- 裁判官弾劾裁判所の設置
法律の制定
国会の最も大きな仕事は、法律をつくること。
法律案は、内閣または議員が作成して提出し、国会で審議され、制定される。
予算の議決と決算の審議
国の予算は、内閣が作るが、国会の議決に基づかなければ使うことができない。
内閣は、収入・支出を見積り、予算を作成し、国会に提出する。予算の審議は、衆議院、参議院の順で行われ、国民の生活に役立つことに支出されるかどうかなどを検討し、議決する。
翌年度になると内閣は、国の収入と支出の結果をまとめた決算を国会に報告。 国会は、内閣が決められた予算に従って経費を正しく使ったかどうかなどを審議する。
条約締結の承認
条約……内閣が外国と結んだ約束を文書にしたもの。
内閣が条約を結ぶには、国会の承認を受けなければならない。
内閣総理大臣の指名
内閣総理大臣は、国会が国会議員の中から指名し、この指名に基づき天皇が任命する。
憲法改正の発議
憲法の改正は、衆・参各議院ともに総議員の3分の2以上の賛成があると、国民へ発議される(国民投票となる)。国民投票で承認された場合、憲法改正が行われる。
衆議院の内閣不信任決議
衆議院は、内閣に対して信任・不信任の決議をすることができる。
内閣不信任決議案が可決、または内閣信任決議案が否決された場合、内閣は、衆議院を解散するか、総辞職しなければならない。
内閣の総辞職
内閣総理大臣、国務大臣(閣僚)だけが辞職し、国会で新しい内閣総理大臣が選ばれ、新しい内閣が作られる。
総辞職は、今の内閣ではダメだと
衆議院の解散
衆議院全員が解散し、総選挙が行われた後、国会で新しい内閣総理大臣が選ばれ、新しい内閣が作られる。
<衆議院をいったん解散し総選挙を行う理由>
国民の投票で、もう一度同じ政党が与党になった場合、国民が今の内閣(政策)を支持している。違う政党が与党となれば、国民は支持していないという判断ができるからである。
両議院の国政調査
衆議院と参議院の両院には、国政全般について調査する権限(国政調査権)が与えられている。
政府からの説明聴取や委員を派遣して調査を行うほか、証人を呼んで証言させたりすることができる。
裁判官弾劾裁判所の設置
ふさわしくない裁判官をやめさせるかどうかを決める裁判官弾劾裁判所を設けている。
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